鎌職人マカ=アルバーンは、とってもパワフルな女の子です。真面目で負けず嫌いで頑張り屋さんな彼女は、自分に厳しく職人として手を抜くということを許しません。おかげでいつも座学はトップ層、魂集めも熱心かつ優秀、しまいには相方をデスサイズにまで仕立て上げてしまうほどでした。死神様も「マカちゃんはお母さんに似ていい職人さんだね」と褒めるほど、彼女はとっても熱心ゆえに優秀なのです。

 ですがそんな彼女にも、ずっとずっと胸のうちにしまってきたどうしようもない大きな悩みがありました。それは、彼女のバストサイズが一向に育たないということでした。

 「一向に育たない」と言っても、これがまだもとのサイズがそれなりにあったなら何も悩む必要などなかったでしょう。パパは彼女のことを「マカはママに似てキュートだなあ」と言ってくれます。ですが彼女からしてみればCuteどころの話ではないのです。Angelなのです。華奢なマカの胸部には、天使が翼を広げたようななだらかな起伏しかないのでした。鎌職人としての腕前がママ譲りだと言われるのは嬉しく誇らしいことですが、バストサイズは嬉しくありません。嬉しくないのです。天使型なのは魂だけで十分です。

 内心、彼女はずっとバストサイズのことは諦めていました。ですが先日、ひょんなことから彼女はついに思い立ったのです。自分の容姿が遺伝で決まってしまうなんて、やっぱり決めつけたくない。ママの名誉のためにも自分のプライドのためにも、諦めたくないのです。

 だからマカは、女子力増強計画(物理編)を実行することにしました。目標はまず、今のサイズから一つ上のBeautifulになること。そして最終的には、彼女のことをちんちくりんと嘲笑う男どもを見返してやるのです(表立って嘲笑うヤツは一人しかいないのですが)。

 けれどこの計画を実行するには、一つ問題がありました。実は、マカは目標を実現するための具体的な手段を知らないのです。けれど安直な彼女は、バストを大きくしたいならまず大きい人に聞けばいいんじゃないかと考えました。なので身近にいるバストサイズの大きい女子に、どうやったらバストが大きくなるのか聞くことにしました。

「ええっ?」

 まず死武専で捕まえたのは魔暗器の椿です。試しに聞いてみたら、ぽっと顔を赤らめられてしまいました。何だかいけないことを聞いているのではないか。聞いているマカの方まで恥ずかしくなってくるけど、いまさら引くわけにはいきません。マカはもっと成長しなければならないのです。アイツにちんちくりんと言われないためにも!

「お願い、教えて!」

「教えてと言われても」

 椿はもじもじして目を逸らしました。こういう時も、おっぱいがあった方がもじもじはサマになるようです。両手を合わせた時に腕で中央に寄せられてふるふる揺れるおっぱいを見ていると、これが可愛い女の子っていうものなんだろうなとマカも思ってしまうのです(もちろん椿の可愛さがそのナデシコな中身の方からまず来ていることは百も承知です)。マカは、なおさら成長しなくちゃいけないという気になってきました。 

「私、そんな教えられるようなことなんて特にしてないんだけど」

「何でもいいの! ちょっとした毎日の習慣だとか、趣味だとか、こんな体操してるだとか!」

「えええー……」

 椿は、すごく困っています。どう聞いたものか考えていると、明るい声が割り込んできました。

「なになに、楽しそうな話してんじゃん?」

 リズとパティのトンプソン姉妹です。マカの視線は自然と二人の首より下、お腹より上に吸い寄せられます。二人とも今日も立派です。

 まさか、やっぱりバストは遺伝……? 脳裏によぎる不安を頭を振って払います。いいや、たとえ全世界がそう言おうと死神様がそう定義しようとマカは認めません。隠された真のおっぱいの規律を、自分が暴き出してやる! マカは恐怖を振り払い、改めて固く決意しました。ヒトはこれを勇気と呼びます。

「あのね、実は――」

「へーおっぱい育てるんだあ!」

「しーっ! パティ声でっかい!」

 慌てて辺りを見てみますが、幸いこちらに注目している人はいないようです。マカがパティに人差し指を唇に当てて見せると、彼女は同じように人差し指を自分の唇に当て、丸々した目をキラキラ輝かせました。

「楽しそうだね! 手伝ってあげよっか?」

「教えてくれるのっ?」

「もっちろん!」

 パティは大きく首を縦に振ります。その隣で、姉のリズが訝しそうに尋ねます。

「でも、また急にどうしたんだよ?」

「だって――」

 マカは正直な理由を口にしようとしましたが、途端脳裏に白い影がちらついてかっと顔が熱くなり俯いてしまいました。ムリです、相方にちんちくりんだのぺったんだのからかわれるのが悔しいからなんて、そんな惚気みたいなことは、マカには言えません。

「その、やっぱり、胸は欲しいから……」

 ごにょごにょと言うと、椿とトンプソン姉妹は顔を見合わせました。それから誰からともなく笑いはじめました。マカはついに耳まで赤くなった顔を跳ね上げて、喚きます。

「何よ!」

「ううん、何でもないわ」

 にやにやしながら何か言おうとしたリズを目線で制して、椿がマカをなだめます。そんな彼女の顔もにこにこしていて、マカは眉根を寄せました。

「そうね、私は試したことはないけど、キャベツを食べるといいって聞いたことがあるわ」

「キャベツ?」

 ですがマカはそれを聞くと、眉間の皺を取って釣り餌に食いつく魚のようにあっさりと飛びつきました。リズがここぞとばかりに乗ります。

「おう。色々聞くけどキャベツっていいらしいな。あと鶏肉も。でも何より――」

「えーいっ」

「わひゃあっ!?」

 マカは悲鳴を上げました。いつの間にか背後に立っていたパティが、背中から抱き付くように腕を回してマカのエンジェルラインに指を這わせるというお約束のアレをやったのです。少年向けお色気漫画ならばこの状態が一ページは続いて世の男の子たちの心や体を熱くするところなのですが、残念ながらマカはバトルダークファンタジー漫画の主人公に属します。ですから彼女は悲鳴を上げるか上げないかといううちに、反射的にエルボーを背後に向けて叩き込んでいました。けれど相手もまた、そのバトルダークファンタジー漫画内でも武器とは思えない身体能力を誇るとして知られるパティでしたので、難なく躱されてしまいました。

「こらっパティ!」

「毎日もみもみするといいんだよー?」

 マカは怒って見せますが、パティは悪びれず両手を掲げ指を丸め込み開き丸め込み開きをワキワキと繰り返します。無邪気な子供のような愛くるしい表情をしているのに、動作がまるっきりスケベなおっさんです。リズがけらけらと笑いました。

「そんなに怒るなよ。本当のことだぜ?」

「だって、だって!」

「ジョセーホルモンが出るんだよぉ」

「揉むのが嫌なら、他にそういうのが出そうなことするのもいいんだって。たとえば」

 リズがマカの耳元に唇を寄せ、何か囁きます。すると赤みが引いてきつつあったマカの頬が、また一瞬で茹で上がりました。

「じっ自分で頑張るからいいもんっ!」

 マカはプチトマトのようになった顔で叫ぶと、アリガトと早口に言って脱兎のごとくどこかへ駆けていってしまいました。その背中が遠くなっていくのを見送ったトンプソン姉妹は、目と目を合わせて頷き合いました。

「あれは“経験アリ”だな」

「やーん、マカちゃんのえっちぃ」

 リズが意味深に唇をゆがめると、パティが両頬に手を当ててわざとらしく身体を捻りました。するとそれまで黙っていた椿が、やんわりと口を開きました。

「もう、二人とも意地悪しすぎよ」

「椿ちゃんだってノリノリだったじゃねえか。止めなかったし」

「だって、マカちゃんが可愛いんだもの」

 椿は台詞こそ諌めるようであるものの、口元が緩みっぱなしでした。リズは心から同意するように、二度大きく頷きます。

「あのままでもマカ、十分可愛いのにな」

「ソウル君だって、きっとそう思ってるのにね」

「オトメゴコロだよ~。ワタシ、ソウルのためにもっと可愛くなるのっ!」

 パティが胸の前で両手の指を組む乙女のポーズを取り声を気持ち高くしてそう言うと、グラマラス三人組は再び笑い合いました。さすが、バレバレです。

「マカちゃん、本当に気付いてないのかしら。ちんちくりんって言われて怒ってるマカちゃんを見てる時のソウル君の顔、すっごいのに」

「すっごいよな。なんて言うか、顔面にチェリーパイぶつけたくなる感じ」

「まったく、ガキみてえに怒りやがってバカだなァ……このかわいいちん・ちく・りん・めっ☆」

 先程よりずっと声を低くして、パティがリズの鼻先を突く真似をします。心なしか、可愛らしい顔立ちはすかしたニヒルな笑みを繕っているように見えます。そこに妹が真似しているある人物の影を見て取った姉が、反射的にブフッと噴きだしました。

「パティやめろ! キッツ! くそっ」

「うふふっ。でも本当にそんな感じよね!」

 大笑いするリズ。椿も笑っています。パティは胸を張ると、拳を天に向けて勢いよくつき上げました。

「とにかくっ! 明日からマカのおっぱい育てるぞーっ」

「おーっ!」

 リズと椿も拳を突き上げました。彼女達の鬨の声は友人の悩みを解消する気なんて欠片もない、むしろ他人の悩みで遊ぶ気満々の響きを残して、キレイな青空に溶けていきました。

 何はともあれ、こうして心強い味方を得たマカは半強制的に女子力増強計画(物理編)を始動させたのでした。




♪♪♪



「あのさ」

 時が経つのは早いものです。女子力増強計画を開始して二週間が経ったある夜のこと、共に夕飯を突いていたソウルが唐突にそう切り出しました。マカは白いお米を口に運んで小首を傾げます。

「うん、なに?」

「お前、最近どうしたの?」

「えっ」

 マカの箸が止まります。

 ドキン。心臓が一つ、大きく脈打ちました。胸もつられて少し揺れた気がします。本当です。本当ですってば。

「なっ、何が?」

「お前の――」

 ソウルは真摯な眼差しでマカを見つめ、一呼吸置いてから言いました。

「お前の作るメシ、ここんところやけにチキンとキャベツ多くね?」

「そんなことっ」

 ない、とマカは言えませんでした。黙って今日の食卓を見下ろします。

「今日はささみのフライとキャベツの千切り、一昨日は照り焼きチキンとコールスロー、その前は唐揚げとキャベツの中華スープ、そのさらに前はロールキャベツに手羽元とカブのスープ」

「…………」

「冷蔵庫なんて鶏胸、鶏もも、手羽先、手羽元、ささみ、いっつもこのうちの三種類は入ってて、さらに昨日スーパーで売ってた味付きチキンのバジル味と柚子胡椒味セット、五個買ってきて入れてたよな。おまけにおやつだって、ここ二週間くらいデスシティ・フライドチキンのパーティーパックばっかり食ってるだろ。俺知ってるんだからな」

「…………」

「よっぽど食べたいなら仕方ないけど、でもいくら何でもイッツアチキンワールド過ぎるだろ。どうしたんだお前。鶏に喧嘩でも売られたのか? それもと何か、鶏がお前の恨み買うようなことしたわけ?」

「…………」

 マカは自分の皿にこんもりとよそられたささみフライを睨み付けながら、どう言い逃れしたものか考えます。まさかこんなに早く悟られるなんて予想外です。さすがソウル、バカなくせに妙なところには鋭い。

 本当のことなんて話したくありません。そんなことを言ったらバカにされるに決まっています。それは癪です。

 マカは一生懸命言い訳を考えます。魂の表面を、冷汗がだらだらと流れていきます。

「……べ、別に」

 しばらくして、彼女はやっとのことで声を絞り出しました。

「アンタには関係ないでしょ」

「いや、大アリだろ」

 ですが、ソウルは容赦なく言及します。

「毎日同じ食卓囲んでるんだから」

「うるさいっ!」

 マカはどうしようもなくなって、動揺のあまりテーブルを叩きました。食器が平均して三センチほど宙に浮きました。

「鶏が食べたい気分なだけなの! 悪い!?」

「ふーん」

 ソウルはそれでもなお、疑わしげな眼差しをマカへ注ぎます。マカは一刻も早く彼の追及を逃れたくて、残ったフライと千切りを一気に掻きこみました。そんなに急いで食うと吐くぞという台詞をかけられた時は、じとりと睨みつけてやりました。

「ごちそうさま!」

「どこ行くんだよ」

「お風呂!」

 マカは空になった食器をキッチンへ放り込み、歩幅大きく足音荒く洗面所に飛び込みます。ドアを閉め切ってそこが自分一人だけの空間になったことを認めると、はあと大きな溜め息が漏れました。

「ヒトの気も知らないで……」

 彼女は恨みがましく呟いて、Tシャツを脱ぎました。それからブラジャーも外して、鏡の前に立ちます。

 女子力増強計画(物理編)を始めてからはや二週間。一向に彼女の女性的象徴は大きくなりません。たった二週間で人間の身体が急激に変わるわけがないとは分かっていますが、それでも何の変化もないその部位を見ていると、込み上げてくる焦りから目を逸らせないのもまた事実なのです。

「本当に大きくなるのかな」

 不安な気持ちが、つい口から零れてしまいます。ですが、次の瞬間にはハッとして首を横に振りました。

「ダメダメ! やるだけでもやってみなくっちゃ!」

 そうです。弱気になって諦めて何もしないのでは、今の状況は何も変わらないのです。同じ諦めるにしても、それならば何かしてから諦めたい。マカは自分を奮い立たせ、両手で自分の乳を包みました。ここ二週間で日課になったおっぱい運動をするのです。おっぱい運動はパティが名付けて教えてくれたものですが、内容は簡単です。ひたすら乳を揉むだけです。

 友人たちは、あれからどういうわけか積極的にマカを応援してくれています。トンプソン姉妹は更衣室は勿論、日常のふとした時に隙アリとばかりに揉んできます。椿はそういうことは一切しませんが、黙って微笑みながら豆乳飲料を差し入れしたり、キャベツや鶏肉を使った新しい料理のレシピを教えてくれます。それに対してマカは時として怒り時として礼を言い、いい友達を持ったなあとしみじみ思います。

 みんなも励ましてくれてるし、やれるだけ頑張ろう。マカの一心に運動する手に力が籠った時でした。

「マカ、ちょっとタオル取らせ――」

 がちゃり。ぱっちり。目と目が合いました。それから赤い方の瞳が、緑の瞳より下を見ました。緑の瞳もそれにつられます。小さな胸は自分の手によって、明らかに脱衣の途中でと言うには不自然な形に歪んでいます。

「あー……」

  ソウルはやや斜め気味に、目線を落としました。頬がやや赤らんでいるような気がします。

「あの、そういうことならちゃんと言えよな」

「は?」

「別に気兼ねしなくていいよ。お前が物足りないって言うなら俺だってそれなりに努力したいって言うか、どの辺が足りねえか言ってくれねえと、どうすることもできないから」

 ン? とマカは思いました。ナニヲイッテイルンダコイツハ?

 マカが脳内にでかでかと浮かんだクエスチョンマークに気を取られているうちに、ソウルはつかつかとマカに歩み寄ります。彼はマカの顎に指をかけ、顔を上向かせました。何故かちょっと照れているようです。

「その、回数が足りねえなら言えよ。別にそんなはしたないとか思わねえし、むしろお前から誘ってもらって嬉しくないわけないし」

「え?」

「一人でするなとは言わないけど、こう、俺がすぐ隣にいるっていうのにこんなことされると、今の俺に不満があるのかとかそれとも技術的な方に問題があるのかとか、色々考えちゃうって言うか」

「あの」

「だから、さ」

 ソウルはマカを真っ向から見つめます。なんだか、顔つきが真剣かつ照れとは違う熱っぽさを帯びてきた気がします。

「どうして欲しいか、言ってくれないか?」

「ちっがっうッ!!!」

 マカは近場に置いてあった辞書を、白い脳天に叩き込みました。マカは、今ほど自分ががり勉気質でいつでも分からないことを思いついた時に意味を調べられるよう、家じゅうの至る所に辞書を置いていたことに感謝したことはありませんでした。

 


 


「何だ、そんなことか」

「そんなことって何よ! 大事な問題なんだから!」

 落ち着いてことの顛末を最初から説明したところ、ソウルがあっけらかんとしてそう言うのでマカは怒りました。そんなことではありません。自分の(物質的)女子力を上げるための大事なトレーニングなのです。それをこの男は何と勘違いしたのか――マカはその“ナニ”を口にできません。いくら付き合いが長くてもパートナーでも恋人でも、男性の前でそれを口にするのは恥ずかしくて無理というものです。

「ホンットアンタってサイテー! 何でそうすぐにやらしー方にしか考えられないわけ!?」

「今のシチュじゃしょうがねえだろ! だって風呂場だぞ? お前一人えっちしねえのかよ?」

 マカはもう一回チョップを叩き込んでやろうとしましたが、すんでのところで白刃取りされてしまいました。二人は辞書を挟んでギリギリとせめぎ合います。もちろんこの間、マカの空いた方の腕は胸を隠すことを忘れません。

「手どけろよ」

「いや無理」

 だってマジで痛ぇし。ソウルは真顔で答えた後、へらっと笑いました。

「やー、まさかここ最近のキャベツトリカルパレードが、まさかそんなことのためだったなんてねえ」

「馬鹿にしないでよ!」

「いやいや、しねえよ。それなら早く言ってくれれば良かったのに」

  マカの辞書を落とそうとする手が緩みました。ソウルは整った顔に、以前と比べると随分落ち着いた笑みを浮かべます。

「なあマカ。オレたちはいつだって、お互い高め合って来ただろ? 今回だって、オレはお前にとことん付き合ってやらねえこともねえぜ」

  そして彼は口の端を吊り上げ、断言しました。

「お前のその貧相なバストステータス、オレが上げさせてやるよ」

 ふと我に返ったら、フローリングにソウルっぽい何かが生えていました。ソウルっぽい何かは、どういうわけか足を天に向けて生えています。普通生えるなら頭が上だろうにバカだなあ。マカは他人事のようにそう考えてから、自分が入浴する予定だったことを思い出し、まだ身にまとっていたものを脱ぎ捨ててバスルームへと消えました。

「あー、いってぇ……」

 バスルームからシャワーの音が響き始めた頃、床に埋め込まれていた男が身体を起こしました。いてて、とぼやきながら、彼は灼眼を彼女が去って行った浴室の扉へ向けます。

「そんなに気にしなくたって、オレは今のままで十分なんだけどな」

 胸のデカさだけで寄って来るバカな男が増えると困る。ソウルは一人呟きます。シャワーの音は依然として続いていて、こちらの声が聞こえた様子はありません。それでいい、とソウルは思いました。クールな男は大きな声であからさまな愛を叫ぶことはしないのです。あくまでさり気なくがベストなのです。

 ですがここで、ソウルは考えます。あんな煽情的な光景を見せつけられて、ここで去るのが男でしょうか? 答えは否です。クールな男は薄情で情感のない男とは違います。やる時はやるのです。

「ま、アイツ素直じゃねえし」

 とりあえず、「協力」してやるか。

 ソウルはにやりと笑って、上着を脱ぎました。







(後書き)

ついったで呟いてたネタをそのままSSにしました。

マカちゃんは結構しっかり女の子なんですよ。浮気を嫌ってて天使なんて男の人に呼ばれてみたいなあなんて思っちゃうあたり、とっても女の子なんですよね。

それにしても私の書くソウル君は、ちょっと積極的すぎやしないだろうか…いや、でも付き合ってる設定にでもしないと彼はこんなことしないと思う。と言うか、本編読んでみて彼は確信さえ持てれば動ける男に変わって来たんじゃないかなと思います。大丈夫だよソウル君、君の男度はちゃんと上がってる。きっと。


魂喰の女の子たち、可愛くて好きです。メンズも勿論好きなんですけど、まだ彼ら彼女らを書けるネタを思いつきません。いつか書く時が来るんだろうか。


とにかく男勝りで乙女でもあるマカちゃんと、ヘタレてても男の意地は持ってるソウル君のコンビは、本当に可愛いなと思います。さらにそこにツンデレ×ツンデレという条件が加わって可愛いのビッグバンがパーーーン(私の脳漿が弾ける音)


ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました!

またお会いできましたら幸いです。




20150831