【D】舞台袖の向こうから【Ⅺ】



・Ⅺの旅立ちまでのネタバレ(微量)
・台本形式の主人公クロスオーバー
が含まれます。

ご注意下さい。
















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11回目の旅立ち

ナイン「さあついに始まりました『卜゛ラコソク工ス卜Ⅺ』。新しい勇者が旅立ちの時を迎えます。彼の旅路が少しでも穏やかなものとなることを祈りつつ、その様子をこの止まり木の地から見守りたいと思います。司会は僕ことナインが務めます。解説として、ローレシアからアレンさん、グランバニアからアベルさんをお迎えしております」
アレン「珍しいメンツだな。まあ、よろしくな」
アベル「よろしくお願いします」
ナイン「さて。先程勇者が旅立つところまでを見て参りましたが、ここまでをご覧になって、お二人は今どのような感想をお持ちでしょうか」
アレン「なんとなく、どこか不吉だよな。村の人たちは良い人たちばかりだけど、神聖な岩に魔物が出たり、霧が立ち込めていたり……何か、ただならぬことが起こる気がする」
ナイン「ありがとうございます。アベルさんはいかがですか?」
アベル「そうだね。村が焼かれないか、心配で心配でしょうがないよ」
アレン「やめてくれよ……」
ナイン「アベルさんが言うと、大きいですね」
アベル「だって、これまで止まり木に来た人間の半数以上が、故郷に何らかの事件を起こされてるからね」
ナイン「確かにその通りですね。僕の天使界も、もう無いです」
アレン「やめてくれよ……」
アベル「特に村出身者は四人いるけど、そのうち三人は村を焼かれている。彼の村も無事であることを祈りたいよ」
ナイン「イレブン君に好意バリバリの女性が生き延びるかどうかも、心配ですね」
アベル「そうだね。ああいう、明るくて素直でちょっとドジなのが玉に瑕っていう感じのいい子すぎる女の子は、途中でリタイアして主人公の思い出に刻まれる、っていうパターンが世の中には確立されているから」
ナイン「ソロさんとか、ソフィアさんのようにならなければ良いのですが」
アベル「だから今回、あの二人を呼べなかったんだよね」
アレン「やめてくれよ……何なんだよここ……ただ見守るだけのはずなのに、何で地味にメンタル抉ってくるんだよ……」
ナイン「ものすごく心配してくれる親御さんの言葉や、村長の『勇者を育てた褒美がもらえるかもしれないから王様にシクヨロ★』っていうセリフも、フラグに思えてきますね」
アベル「不吉だね。不吉極まりないよ」
アレン「なあ。もう少し、旅の始まりのワクワク感とか、そういうのに着目してあげないのかよ?」
アベル「うーん。そうしてあげたいのは山々なんだけど」
ナイン「アレンさん。これまでこの止まり木の地にやってきた冒険者の中で、純粋な期待から旅を始めて何事もなく事を終えた人がいたでしょうか?」
アレン「…………いねえ、だと……?」
ナイン「そういうことです」
アベル「冒険をするのが僕たち冒険者の仕事だからね。仕事っていうのは、どうしても楽しいことばかりじゃあないから仕方ないんだよ」
アレン「そうか……いや、そういう問題なのか……?」
ナイン「今はただ、勇者の生まれ変わりだと称されてしまった彼の行く末を見守りましょう……」





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というわけでこんばんは。

ついにⅪを始めました。わくわくですね!どきどきですね!いやあ待ってましたよ、ってのはまさにこういう時に使うセリフだったんですね!多分違いますが!


……え、Ⅹはどうしたのかって?

………まあ、ね。うん。
いや、すみません……。

ナイン君が首を長くして待ちわびていた二人の後輩はまだ来られなそうです。いつかお招きできるといいなあ。



ところでⅪですが。
これから地味にコツコツやっていきたいと思います。余裕があれば⤴︎のように文もどきにしたいです。

とにかく今は「ビルダーズほどの闇っぷりじゃあないだろうけど、不吉な予感しかしないわ…」という感じでやってます。楽しい!