DQ小話「導かれなかった者たち」前編

 

こんばんは。

 

先週あげるって言ってたヤツを書いていたのですが、思いの外ヒーローズ2プレイ所感と落書きに時間を取られてしまい、しかも思いの外ゲームの進行に従ってネタが沸いてしまって最後まで書けなかったので、ひとまず前編だけ上げさせていただきます。

台本形式ですが、よろしければお楽しみください。

 

 

 

 

***

 

 

 ここはリッカの宿屋。そのゲストルームに、四人の男女が集まって円卓を囲んでいる。

 円卓の上には、豪勢な食事が並んでいる。

 

ソロ「えー。それではこれよりぃ、第一回導かれなかった者たちの会を開催しまーす」

ソフィア「いえーいかんぱーい。ドンドンパフパフー」

 

 四人、間の抜けた音頭に流されて杯をぶつけて干す。

 

ライアン「あ、あの。勇者殿?」

ソロ「おっとライアン。ここじゃあ勇者なんて呼んだら、腐った死体並みに勇者が湧いて出て来ちまうぜ?」

ソフィア「現にあたしも勇者だしね!」

ライアン「で、ではソロ殿。これはいったい、何の会合で……?」

ソフィア「やっだなーライアンったら! ソロがさっき言ったじゃない!」

ソロ「第一回導かれなかった者たちの会」

ブライ「ちっとも意味が分からんわい」

ライアン「それはいったい、どのような趣旨のものなのです?」

ソロ「決まってんだろ。今回双子の王の世界に招かれなかった奴らが集まって飲み食いするだけの飲み会だよ」

ライアン「双子の王の世界とは、何なのです?」

ソロ「まあ、平たく言うとあれだわ。七つの国が戦争を起こして滅びかねねえことになってる大変な異世界」

ソフィア「そこで今、私たち以外の導かれし者たちが呼び寄せられて戦ってるじゃない? だから――」

 

 そこへ、ドアを開けて二人の少年少女がシルバートレイを手に現れる。

 

ナイン「『ドラゴソク工ストヒ―口―ズⅡ』に出られなかった皆様を慰めようと、ソロさんが主催したのです」

ノイン「お飲み物です。どうぞ」

ソロ「おい、なんか今すげえこと言っただろ」

ナイン「僕は今普通に説明しようとしただけです。それが何故か、『三次元語』に変換されてしまったようで」

ソフィア「『三次元語』?」

ナイン「だから、『ドラゴソク工ストヒ―口―ズⅡ』――あ、ほら、また勝手に」

ソロ「なるほど、こちらの事情を説明しようとすると、勝手に読み手側に分かるようなフレーズに変換されちまう――それが、『三次元語』ってヤツか」

ソフィア「そのフレーズが何を意味するのか分からないけど、それを聞いた者は皆なんだか分かったような気がしてしまう……『三次元語』、恐ろしい言葉……」

ブライ「もう休んでもいいかの?」

 

 ブライ、立ち上がり自室に戻ろうとする。

 その肩をソロが掴む。

 

ソロ「待てよジイさんはえーよ! まだほとんど飲み食いしてねーじゃねえか!」

ブライ「やかましいわ! ぬしら、最初からわしらを慰める気なんぞないじゃろう。そんなアホみたいな装備をしおってからに」

 

 ブライ、ソロの服をじとりと睨む。

 ソロ、自分の身体にかけた「導かないでください」というタスキを見下ろす。

 

ソロ「そっ、そんなことねえぜ」

ブライ「ぬかせ」

ソフィア「本当だってば! あたしの服装を見てよ! これのどこがふざけてるの!?」

 

 ソフィア、自分のタスキを引っ張って見せる。

 タスキには「ブッコロリー」と書かれている。

 

ブライ「ふざけているようにしか見えんわ!」

ライアン「まあまあ、お待ちくださいブライ殿」

 

 ライアン、憤慨して席を立とうとするブライをなだめる。

 

ライアン「彼らは我々を馬鹿にしているわけではないと思いますぞ」

ナイン「そうですよ、ブライさん」

ノイン「この二人は、本当のところ自分達が導かれなかったのが嬉しいんです」

ナイン「僕たち止まり木に集まるメンバーのうち、誰よりも宿命が嫌いな二人ですから」

ノイン「でもブライさんとライアンさんの二人だけが置いて行かれて、何だか寂しそうだからって」

ナイン「だから僕たちに、このリッカの宿屋セントシュタイン本店に招いてくれって頼んできたんですよ」

ノイン「ですので、導かれなかったことを慰める気はあまりありませんが」

ナイン「一緒に楽しくやろうという気持ちは強いようですよ?」

ソロ「……なにお前ら、相変わらずエスパーなの?」

 

 ソロ、かわるがわる話した二人をまじまじと見つめる。

 ナインとノインはそろって首を傾げている。

 

ナイン「ソロさんたちがお二人で事前に話していたことをまとめたまでです」

ソフィア「いやそうじゃなくて、その喋り方の話なんだけど」

ソロ「いつ聞いても感動するほど息ぴったりなのな」

エイト「とにかくそういうわけで、失礼な二人ですけど代わりに僕たちがちゃんとおもてなししますから。今日はめいっぱい楽しんでください」

ライアン「かたじけない。そのご厚意に甘えさせていただこう」

ブライ「ふん。少しは老人の敬い方を知っている者もおるようじゃな」

ソロ「つかエイト、お前いつからいたんだよ」

 

 ソロら、円卓にいつの間にか加わっていた青年を見る。

 青年ことエイト、手にした白ワイングラスをあおってにこりと微笑む。

 

エイト「そんなことどうだっていいじゃん。俺も『ドラク工Ⅷ』のうち唯一呼ばれてないパーティーメンバーなんだから、仲間にいれてよ」

ライアン「む。貴殿もか?」

エイト「そうなんです。前回の『ヒ―口―ズⅠ』の時はもう一人いたんですけど、そいつも今回行ってしまって」

ソロ「あれ、ボインのねーちゃんだけじゃなくてあのブラコン野郎も行っちまったのか」

ソフィア「何だっけ、ククールさん?」

エイト「そうそう」

 

 エイト、赤ワイングラスを手にし、件の人物が纏う色に似た液体をそこへ注いで無造作に揺らす。

 

エイト「まあでも、彼の顔面は『三次元化』にうってつけだからね。せいぜい本領発揮してもらって、『ドラク工Ⅷ』の知名度を上げてもらわないと」

ソロ「お前、アイツ限定で当たり強ぇよな」

ソフィア「でも気持ち分かるよー。銀髪のイケメンって、なんかボコボコにしたくなるよね」

ソロ「あー分かるー超分かるわー」

エイト「言っとくけど、君たちの方がよっぽど当たり強いからね?」

ライアン(銀髪のイケメン……)

ブライ(彼奴のことか)

 

 ライアンとブライ、心当たりのある人物を思い浮かべて頷く。

 

 

 

 

(続く)

 

 

 

他にもまだ人が出てくる予定です。

うまくまとまるだろうか……。

 

全部書けたら一ページにまとめてお知らせします!

 

 

     

 

     

なんかもう、おうちからデタクナイ。

五人くらいに分裂して、そのうち二人は家に置いて創作させてオキタイ。

そしてそして残り三人で、ここではないどこかにイキタイ。