【妄想】DQにおける十字架の象徴するモノについて【捏造設定】

○初めに

 

DQにおける十字架とは、単純に「神」や「教会」「墓」、そこから転じて「死」などのイメージとして使われているシンボルマークです。堀井先生のお話ですと、当初このシンボルは実在のものとは何ら関係なく、「分かりやすさ重視」で設定されたものだったようです。

確かにⅦまでの十字架を見てみると、ほとんど私たちも見たことのある実在する十字模様ばかりになっています。

たとえばFC版Ⅲの僧侶の帽子に記された横棒と縦棒の長さが等しくそれらが直角に交わった十字架は「正十字架」、または「ギリシャ十字」と呼ばれるもの。

同じくFC版Ⅲ僧侶の服に記された横棒が短く縦棒が長いそれらが、中点よりやや上で直角に交わった十字架は「ラテン十字」と言われます。

そしてFC版クリフトの帽子にあるあの模様は「太陽十字」または「車輪十字」と呼ばれる、古くから使われる十字のシンボルでした。

あとは床に左まんじ(卍)右まんじ(←の逆。独逸の有名なあの人が使っていたことで知られていますね)の模様があったこともありました。

 

 

ですが、海外版輸出などをきっかけとしたのでしょうか。実在の宗教事情に対する配慮だと思われますが、近年この十字架を他のマークに変えたり(海外版「Dragon Warrier」では五芒星になっていた)、そもそも教会などのシンボルを別のものにしたり(Ⅷ・ⅨにおけるⅢ僧侶の服の十字架・一部リメイク作品では図1、Ⅸ・Ⅹでは図2、DSリメイク作品及びDQHにおけるクリフトの帽子は元々太陽十字だったのが図3のようになり、Ⅹにおける僧侶の服に記された模様は図4のようになった)している様子です。

 

 

 

きっと国内のファンからは「まあ妥当な判断だと思う」「十字の方が好きだったのに」、または「んなモンどうでもいいわ」「えっ知らんかった」などなど様々な印象を持たれているでしょう。

それでもきっと、そこまで気にかけてる方はいないだろうと私は勝手に思っているのですが、実際どうなのでしょうか。あまり口に出している人を見ないので、私は「基本興味なし」と見なされているものと捉えています。

 

 

一方、私はこれが非常に、すっごくすっごくすっごく気になります。

 

 

どう気になるのかって言うと、DQにおける問題で一番気になるほど。天空シリーズの血統問題よりロトループ説より何より気になる。その日の夕飯の惣菜が何になるかとはどっこいくらいですけど。

 

もちろん、私は宗教に詳しい人間でも特定の宗教を信仰している者でもありません。ごくごくありふれた、いかにも宗教音痴の日本人らしい、興味本位で宗教を語るような日本人です。

 

 

それでも気になるんですね。

 

プレイヤーの大事な旅の記憶や大切な仲間の命を握る役割をする教会を象徴し、

棺桶にも刻まれ、

そして様々な神の象徴として用いられ、

果ては魔王の城にさえ姿を現す

(本当です。Ⅲのゾーマの城最深部、ゾーマの玉座がある箇所に敷かれた絨毯の形が十字でした)

この十字模様が、どんな意味合いを持つものなのか。

 

すごくすごくすごく気になるんです。

 

さらにはDQの人々は、この十字を神として扱って祈ることだってあるんですからね。具体的にどんな神かはさっぱり明言されてませんが(Ⅹは少し違うらしいですけれども)、この十字について設定することができれば、DQ創作世界の人々の心情に少しは近づけるというもの。

宗教はそもそもこの世の原理を解く役割を担うものであり、人々の生活と文化と心の基盤だったわけです。日本人の我々にはあまり実感がないですが、我々の生活にも宗教の痕跡が多々残っていることからもこれは自明でしょう。

そしてこれは、我々日本人よりも日常に教会が密接に結びついているDQ世界ならば、なおさらなはず!

 

 

 

そんなわけで、私は創作をする上でもこの十字の意味を考えないと話が書けないと思いました。

だから色々妄想をしました。未だにまともな形になりはしないこの支離滅裂な妄想をどうにか整理するためにも、このページにまとめます。

 

 

この文章を読む上で、改めて注意してほしいことを以下に少し書いておきます。

 

このページに書かれている全ては、想像力の乏しいために実在のシンボルが用いられてきた例を参照し、それに頼らなければ自分のDQ世界観を築けなかった私の捏造です。

しかもその調べてきたものもほんの瑣末な量でしかないので、情報不足はもちろん、論理性も整合性も破綻しているものと思われます。DQの原作に忠実に考察、なんてとてもじゃないけどできてないしそこまでやりこむ気力体力も今の所ありません。

 

 

このように全てが私の妄想、嘘八百であることをご了承の上、「DQにおける十字架の意味づけ」の途中経過をご覧いただければ幸いです。

 

 

 

 

 

【そもそも現実における十字・十字架とは】

 

DQにおいて神や死の象徴として使われてきたこのマーク。皆さんは実生活において、どのような場面で目にしたことがありますでしょうか。

多いのはアクセサリーでしょう。ネックレスによくついてますよね。あとは結婚式を行う教会。つまり基督教です(検索避けのためにもあえて漢字で書いてます。読みづらくて申し訳ないですがご容赦ください)

 

 

今日、十字架というと多くの人が基督教をイメージするのではないかと思われます。

基督教といえば、現世に生まれ落ちた神の子こと基督が十字架にかけられ処されたことが有名でしょう。

宗派によって解釈に多少の差はあるでしょうが、大雑把に言うと、なべて基督教徒は彼のこの行為を「本来はすべての人間が負うべきだった罪を、自ら一人で背負った」ものとして捉え、その彼がかけられた十字架(旧約聖書では、この磔刑というのは最も辛く、呪われた処刑法として知られていました。国家反逆罪を犯した者がそうやって処刑されるのです)を、彼の受難、聖性、そして人間自らの罪の象徴として扱い、シンボルとして見なすようになったのです。

 

 

 

ですが、そもそもは十字架というのは何も基督教だけのシンボルではありませんでした。

 

 

十字というのは、基督教より古い古代民族で崇拝されるシンボルの一つでした。それも一つの民族においてではなく、世界各地、異なる複数の民族で十字型をしたシンボルが崇拝されていた痕跡があります。

 

たとえば、日本。縄文土偶に、十字型のものが見られます。これはまさに十のような形で上部が顔、横棒が二本の腕、下部が足を形取っています。中央部には二つ乳房がついていますので、女性をかたどった豊穣のシンボルだと言われています。ギリシアにもこれと似たような女神像があるそうです。紀元前2500年頃のものだとか。

 

また場所は変わりまして世界四大文明の一、エジプトにはアンクと呼ばれる輪つき十字架があります。目にしたことのある方も多いでしょう。古代エジプトではこのシンボルをミイラに待たせたり、棺に彫ったりしていました。これは『宗教学辞典』によると、「生命の鍵と呼ばれる力の象徴であり、墓所に記されている象形文字の説明によれば、生命力や生活を意味し、死者に新しい生命を与える機能を記していた」そうです。また、アンクは女陰を象徴したものと言われています。女陰は古代人にとって豊穣のシンボルです。

 

またまた場所を変えまして北米大陸マヤ文明。こちらでは生命の樹と呼ばれる十字のシンボルがあります。これは死体から生えている様子を描かれることが多いのですが(マヤの神殿に刻まれた人身御供の図や、同じくマヤの十字神殿、そしてオーパーツではないかと騒がれたことで有名なパスカル王の石棺に記されたあの絵などもそうです。どちらも死者から植物が生えています)、要は死んだものから新たに生まれ出づる生命、死生観を明らかにした図です。

 

 

さらに違う例を挙げます。ギリシャ神話にヘカテという女神がいます。この人はもともとギリシャとは別の場所から入ってきた神であるらしく、正確な起源は不明ではありますが、ギリシャ神話においては月と狩猟の女神アルテミスの従姉妹であると同時に、地下にある冥界を司る神の一柱であり、豊穣神であり、清めと贖罪の神であると言われています。

この人は冥界から現世に現れる時、十字路または三叉路に現れます。ヘカテの神殿も、実際に十字路にありました。つまり、女神ヘカテのシンボルは正十字架だったのです。

そしてこの正十字架はヘカテだけのシンボルではありません。同じく太母神であるディアナにも捧げられていました。ディアナというのはアルテミスのローマ名です。

このため十字路は出産と冥界に通じる場所であり、生贄のための絞首台を立てる場所として使われることもあり、また古代の女性たちが生まれたばかりの子を古代の女神に捧げる習慣を行うこともありました。

だから十字も、その象徴としてとらえられていたこともあったようです。

 

 

ですからこれらの例からわかります通り、十字架は何も基督教とイコールというわけでもないのです。

そもそもは大地そのものである太母神の象徴であり、そこから生と死の意味も含むようになり、またそのために生贄を捧げるものとして磔刑に十字架が使われるようになって、色々あって基督教もこれをシンボルとして認めるようになり、独自の意味合いを重ねるようになったと。

 

ざっくり言うとこんな感じです。

 

そう考えると、DQにおける十字架もこのイメージをばっちり受け継いでいるわけですね。

 

 

 

 

 

【DQにおける十字架の原型】

 

では、DQにおける十字架は具体的に何を元にして作られたシンボルなのでしょうか。

 

原作中では、この十字架については何も言及されていません。

これは辛い。非常に辛い。

何でって、全部私の妄想次第になっちゃうじゃないですか!

ヒトの設定から拝借した方が断然、断然n次創作っぽくなるのに!

そこで私の想像盛っちゃったら一次じゃないですか!

 

 

……この十字架について、またはDQ世界における教会と繋がりのある神について、何か有力な情報をお持ちの方はぜひメールフォームよりご意見をください。具体的なナンバリング、具体的な台詞、状況などを教えて頂けるのが一番ありがたいです。よろしくお願い致します。

 

 

本当はゲーム中の全教会の構造、十字架のモチーフが登場した場所、「神」「十字架」「教会」関連の台詞をすべて集め考察するべきなのでしょうが、私は元来面倒くさがりでそこまでやり込む気になれないので、やりません。

でもすごーく気になるから、いつかやるかも。

3DS版DQⅢが出たらやろう。(きっと出ない)

 

 

 

さて、そんなわけで面倒くさがりの私はここで、自分なりにDQにおける十字架の元型について妄想を膨らませたいと思います。

 

考えられる可能性は三つです。

 

(1)神そのものを象徴したモノ

 

古来から信仰されてきた太母神(DQにおける太母神は誰かという問題もありますが、個人的にはルビスが怪しいと思ってる。あの人はⅢだと陸にいますしⅡだと島にいますしⅥだと海中にいますからね。他にも色々司りすぎだし、太母神ドンピシャな気がする)か、または別の神、はたまたそこから派生した何らかの聖なる存在を象徴したモノだという考え。太母神というのは大地そのものを司る、豊穣の母なる神です。地母神とも言われます。

先程三次元における具体的な例としてあげた、石器時代の土偶や女神ヘカテのシンボルがこれにあたります。

 

 

 

(2)世界を構築するエネルギー又は生命力、死生観の現れ

 

具体的な神とはまた別の、世界に存在する大いなる力や概念をモチーフ化したもの、という説です。

たとえば世界を構成する元素のモチーフ化だとか、生死の循環を何か別のものに喩えただとか。

私としては四大元素のようなものか、または世界樹を記号化したものじゃないかと妄想してます(DQの世界樹のモデルは北欧神話のユグドラシルだといわれています。定かではありませんが、古代人が樹木に世界の構造を重ねて見ていた例は北欧以外にもありますのでDQでも十分適応できるでしょう)。世界樹は蘇生効能を持っていますし、まさに生命の樹ですからね。マヤ十字のケースにぴったりです。

あとは翼を広げたラーミアや竜神なども十字化しそうです。ロトの紋章はラーミアが元ですけれども、あれも大分簡略化すれば十字になりそうですね。

もちろんこれは現実におけるマヤやエジプトの例がそうであったように、大地の神がその信仰の根底に関わって来る可能性も大です。

 

 

 

(3)上記二つの両方が混在している

 

個人的には、これが一番ありえるかなあと思っています。

シリーズ全体を見てみると、どうも教会のある場所とない場所で信仰が違いそうな印象があるんですよね。Ⅲのスーの村はあったかどうか思い出せないのですが、Ⅶの砂漠の民の集落は十字架自体ありませんでしたし、セーブは地元の修行僧らしき爺さんがやってくれます。Ⅸのカルバドの集落も、明らかに外から来たらしい神父さんが「この村の人々、私の話聞いてくれないデース!」的なことを言っていたように記憶しています。

だからそう考えると、一般的に村や町にある教会は(1)のもの、それ以外は十字架こそないけど(2)のような信仰を持っている可能性が高いので、ちょっと考えると(1)が十字架の意味合いとしては通るのではないかと思われますが、でもまだそこまで言い切れる確証がありません。もしそうだとすると、Ⅷのマイエラ修道院の連中と三角谷の毒舌ミニデーモン神父が同じ宗派かもしれないということになってしまいますから。

どんな神だよ、という話です。

 

 

 

ですので以上三つの可能性を照らし合わせて考えた結果、

 

「どうも信仰するものは教会やその地方によって違う様子だし、そうなると十字架の象徴するものは『光の神々』みたいな複合的なものなのかもしれないなあ……」

 

という結論に落ち着きました。

 

 

 

そもそも十字架自体本当に聖なるものかどうか分かりませんし(魔物にグランドクロス使う奴とか、十字っぽいの装備してる奴とかいますしね)、Ⅸのグランゼニスがホニャホニャしたこととか最近耳にするⅩプレイヤーさんの用語を拾っていると、一見聖なるものとして扱われていそうな十字架でさえ

 

「フ○ースの暗黒面」

 

的なモノが存在していそうですよね。ヌターウォーヌ゛好きとしては最高に胸熱なのですが、考える側としては非常に面倒くさくてやめて頂きたいですね! まったくもう! 私がマリベル様に罵られると喜ぶような性格だって知っててやってるのかしら!(歓喜)

 

 

まあ、三次元での十字架自体「恩恵をもたらす地母神」「循環する生命力」「神の子の贖罪・聖性」「人間の原罪」などの意味合いを持っている一方で「生贄」「磔刑」「呪い」「死」のイメージもありますからね。

あと地母神ってたまに生贄欲しがりますし(ほら、大地に還った死体を肥料として、植物って芽吹くじゃないですか)。で、普通に古代人もサクッと生贄捧げたりしてますからね。それも動物や人間をたっくさん。

 

 

だからきっと、教会に据えられてる十字架自体は神の象徴かもしれないけど、それ以外もばっちり組み込まれてるんだろうなあ、このゲーム。

よって、DQ全体の十字っぽいシンボルマークを、一概に「こう!」と言い切ることはできそうにないかもしれませんね……。

 

 

 

 

 

○終わりに

 

はい、まとまったのか微妙な形になってしまいましたが、とりあえずの私の妄想の結果といたしますと

 

 

「どうも信仰するものは教会やその地方によって違う様子だし、そうなると教会における十字架の象徴するものは『光の神々』みたいな複合的なものなのかもしれないなあ……」

 

 

ということになりました。

それ以外はケースバイケース、「恩恵をもたらす地母神」「循環する元素等の生命力」「神、またはそれに関連するモノの聖性」「人間の原罪」「生贄」「磔刑」「呪い」「死」の中のどれかが合ってるだろうと事例と選択肢を見比べて判断し、妄想を膨らませて行きたいと思います。

 

 

 

大分具体性の欠ける曖昧な話である上に、オリジナルであるゲームについて検討不足であるところがわりと不満ではありますが、私にまだそこまでやることはできません。調査はそう一朝一夕にはできません。

 

ですのでこれから何か再プレイする時は常にメモを片手に書き留め続けるか、または

 

3DS版DQⅢが出たらやりたいと思います。

 

 

 

拙い走り書きですのに、ここまでお付き合いくださりありがとうございました。

とりあえず、閉じます。